留鳥のカルガモやオシドリのような僅かな例外を除き、カモ類の多くは寒冷地で繁殖し、繁殖の終盤から冬羽に換羽してメスのような地味な外観になります。 この時期のオスをエクリプスと呼んでいます。 従って秋に日本にやって来るオスはほぼメスに似た地味な姿をしています。 北からの長い旅をするのには地味な方が安全なので、これは合理的な選択だろうと容易に理解できます。 ところが越冬地である日本に到着すると間もなく、オスは派手な姿へと変身を始めます。 カモ類は越冬地で繁殖の相手を探して、一緒に繁殖地に向かうので、メスに気に入られるように派手な姿に変身する必要があるわけです。 繁殖地に戻ってから婚活すれば良さそうなものですが、繁殖地の夏は短いので、その時間がないのでしょうか? カモ類の多くは見通しのききやすい平地で営巣するので、あまり密集するわけにもいきません。 繁殖地では出会いのチャンスも少ないのかもしれません。 遺伝子の多様性を確保する為にも、カモ類は越冬地での求愛という手法を採用したのでしょう。

10月の中旬頃から、コガモが狂ったように水面を走り回る姿が目立ってきます。

別に喧嘩をしているわけではなさそうです。

たぶん換羽が始まって痒いので、脱毛促進の為にバタバタしているのだと想像しています。


頭が黒っぽくなった個体を観察してみると、顔の下半部や背中に僅かな兆候が現れているように思われます。

ここまでくると、オスだなということが判ります。


まだ疎らですが、オスの貌になってきました。


まだ光沢には欠けますが、すっかりオスの顔つきになりました。



ずいぶん綺麗になりました。

この個体は完了間近です。 換羽時期にはかなり個体差がありますが、やがて賑やかなお祭りが始まり、笛の音が響き渡ることでしょう。
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- 2017/11/04(土) 20:24:39|
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