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植物や動物の生き生きした姿を撮せると良いですね

エクリプスの換羽

 カルガモやオシドリを除くと、カモのほとんどは遠い北の地で繁殖します。 カモの多くのオスは、越冬地で繁殖相手を探すので、我々のお馴染みの姿は、とても派手で目を惹くものです。 カモのオスは子育てには参加しないようなので、自分の役割を終えると、一時的にメスに似た地味な衣装に着替えます。 通常の鳥のように夏羽と呼んでもよさそうですが、カモのオスがこの姿でいるのはかなり短いので、この時期のオスをエクリプスと呼ぶことになっています。 秋になると、繁殖地を離れて越冬地に向かうのですが、日本へやって来るのはエクリプスの姿ということになります。
 越冬地に到着すると、まもなく繁殖羽に着替え、派手な姿になって、繁殖相手の獲得に備えるのです。 カモの種類によって時期にばらつきはありますが、越冬地でパートナーを見つけて、繁殖地へ向かいます。 いずれにしろ、こちらでエクリプスの姿を観られる時期は長くはありません。 メスと見間違えそうな本来の(?)エクリプスの姿となると、渡来直後のわずかな期間ということになるでしょう。 エクリプスの意味を知って以来、初期のエクリプスの姿と繁殖羽への換羽の様子を観察してみたいと思っていました。 と言っても、肝心の観察地に早い時期に現れてくれなければ、もう換羽が始まっているでしょうから、初期のエクリプスを観るのは困難になります。 とりあえずは近くでふつうに観られるカモから始めてみようと考えました。 今回が手始めになるのか? それともこれが最後になるのか? 何はともあれ、お馴染みのカモ4種から始めました。

コガモ

 コガモは私の散歩道で最も普通に観られる小さなカモです。 渡来時期も早く、9月頃から数が増え始めます。 さっそく観察に入ったのですが、渡来時期が早くても換羽時期が早いというわけではなさそうです。 後続のカモたちが換羽を始めても、姿に目立った変化が観られず、かなりイライラしました。

コガモ01
まずは比較の対象となるメスの姿です。 コガモはサイズが小さいので、他のカモと間違えることはないでしょうが、体型といい、模様といい、あまり特徴のないメスです。
コガモ02
初期のエクリプスはメスと酷似していますが、暫く時間が経つと、少し黒っぽくなります。 嘴もメスは付け根が黄色っぽいのですが、エクリプスは全体が黒くなります。
コガモ03
11月になると、換羽が進んで、目の周囲が黒っぽくなってきます。 体色にもオスの特徴が現れてきます。 ここまで進めば、離れていてもオスであることは判別できるでしょう。
コガモ04
厳密に言えば、まだ完了しきっていませんが、散歩道で今年一番早く繁殖羽になったオスです。 目の周りが光線によって緑にも青にも変化する光沢を放ちます。 構造色と呼ばれるこの色は、マガモなどのほかのカモにもよく見られます。

ヒドリガモ

 この地域で最も広く普通に観られる冬鳥のカモといえば、このヒドリガモでしょうか。 オスの額の黄白色の線が印象的です。 全長は50㎝で標準的なカモのサイズです。

コガモ05
嘴は鉛灰色で先端が黒い。 これがオスメス共通のヒドリガモの特徴の一つです。 嘴や目の色はカモの見分けには、かなり有効です。 メスは暗褐色をしています。
コガモ06
初期のエクリプスはメスと似ていますが、雨覆と呼ばれる首の後ろの背中の部分が白いので、見分けは比較的簡単です。
コガモ07
体色も灰色っぽくなり、額に線が現れ始めます。
コガモ08
ここまで来れば、もう繁殖羽といってもいいでしょう。 後方は少し遅れているようです。




マガモ

 マガモは全長60㎝のかなり大型のカモです。 頭部の光沢のある構造色と、どっしりとした体型が目を惹き、 カモの王者の風格を感じさせます。 古くから人間にも親しまれたようで、アヒルはマガモを家禽化したものです。

マガモ01
メスの嘴は橙色に黒い斑が混じります。
マガモ02
エクリプスの嘴は黄色です。 いったん成鳥になれば、オスの嘴はずっと黄色です。
マガモ03
換羽が進んだ状態のエクリプス。 
マガモ04
繁殖羽になって、頭部の金属光沢も鮮やかになりました。

オナガガモ

 オナガガモはマガモよりやや小ぶりですが、体型的にはスレンダーな印象を与えます。

マガモ05
メスの嘴は黒く、両側が灰色になります。
マガモ06
エクリプスの嘴には、両側にくっきりとした青鉛色のラインが入ります。 これがオナガガモのオスの嘴の特徴です。
マガモ07
換羽が進んで、オスらしい姿になってきました。
マガモ08
首の白いラインと、名前通りに長く伸びたしっぽが印象的です。

 以上のカモは、いずれもマガモ属に属するカモで、主に植物を食べます。 それも陸上や浅い水底の植物なので、基本的に潜水はしません。 水面にお尻を出して、首を水中に伸ばして採食します。 マガモ属のカモは、これ以外にも数多く観られますが、どうも初期のエクリプスの姿に出会えません。 運が良ければ、出逢えるチャンスがあるかもしれません。


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  1. 2016/11/08(火) 15:55:35|
  2. 野鳥
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  4. | コメント:2
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コメント

越冬地換羽のコガモ

はじめまして、コガモ雌のごく一部に見られる越冬地換羽画像を見つけてコメントさせて頂きます。
「越冬地換羽」というのは聞きなれない言葉かもしれませんが新潟の鳥類観察グループが使用している表現で古くは黒田長禮博士が「羽抜け」と表現しているものです。例外的に渡り後に越冬地で風切羽を換羽する状態を指します。
コガモ雌で紹介されている画像の状態がまさにそれで尾筒上で交差する初列風切や次列風切が確認できません。ヒドリの雌は幼鳥、マガモのエクリプス画像は雄幼鳥ですね。
コメントから更に羽衣変化に興味を持ってもらえると嬉しいですが、うーん難しいぞと嫌にならないでくださいね。
  1. 2016/11/19(土) 09:25:51 |
  2. URL |
  3. Shin's #RAa2TALo
  4. [ 編集 ]

ありがとうございます

Shin’sさん、はじめまして。
越冬地換羽という言葉は初耳です。 カモについては、まだオスとメスがやっとという状態で、メスと幼鳥の差もほとんど判らないという状態です。
オスとメスが理解できれば、おいおい幼鳥も見えてくると思いますので、ゆっくりと慣れていきたいと考えています。

今後とも、ご教示のほど、よろしくお願いします。
  1. 2016/11/20(日) 12:03:36 |
  2. URL |
  3. 四季爺 #QzpjuCfs
  4. [ 編集 ]

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Author:四季爺
いつの間にか後期高齢者になっていました。
まあ肩の力を抜いて、シャッターを切り続けています。
間違って傑作が撮れることもあるかもしれません。動ける限りはチャレンジしたいですね。

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